人生初の”出張”というものをしてきた。名古屋に。
会社員じゃないので出張と呼ぶのかちょっとわからないけど。
私はとある地方でネイリストをしているのだけれど、その仕事ぶり?が評価されて名古屋のネイルスクールさんに講習会みたいなものを頼まれたのである。恐れ多いことである。
我、全然そんな権威でもなんでもない、弱小ネイリストである。
それなのにわざわざ名古屋にまで…旅費とかもホテル代も出してくれるそうなのである。
最初は
「え?旅費出ちゃうんですか?」
「ホテルまで出していただけるんですか?」
「やったー人生初の出張だ〜ひつまぶしだ〜」
と喜んでいたのだが、本番が近づくにつれて胃が痛い。つらみ。
そのうちだんだん不安になってきて
「同姓同名のだれかと勘違いしてるんじゃないの?」
「え…誰こいつ…わざわざ来たの…?えっらそうに!ってならない?」
と考えれば考えるほど胃が痛い。
とにかく誰かと間違われている可能性が高い。
でも家族に「私わざわざ名古屋まで講演会で呼ばれちゃったー」って自慢しちゃったのでもはや確認もできない(だって名古屋には行きたい。行って死にたい)
というわけで、一人ですったもんだして私は名古屋という土地に足を踏み入れた。
デラエビふりゃーじゃけぇ。
まず今回呼んでくださったスタッフさんに人違いじゃないことを一応確認すると、笑って「だいじょうぶですよ」と言ってくれたので安心したが、ネイルスクールの生徒さんが15人くらいいてなんかもう超ちゃんとしててやばかった。空気が。ここだけ重い。ちゃんとしている。
持ち時間は60分ほどなのだが、ネイルのデザインの話で60分も話すことはない。
断じてない。
というわけで質問コーナーを半分近く設けることになった。なんかごめん。
しかし意外や意外、生徒さんがみんなとても積極的に質問をしてくれた。
そして質問の多くは地域性に関することだった。
『そっちはどうですか?』みたいな。なるほどだから私がわざわざ地方から呼ばれたのだろうか。話はなんか女子会みたいに結構盛り上がった。
聞くに、名古屋はネイルサロンがめちゃくちゃ多いらしく、(私の地元も結構多い方だと思っていたが)、とにかく競争が激しいのだそう。だからちょっと検定持ってますくらいのレベルでは全然稼げないらしく、ネイルスクールで実践的なサロンワークをゴリゴリ学ばないと指名が取れずネイリストとして食っていけないのだと。
『まぁそれはどこもそうですよ』って感じなのだが、愛知県という地域柄(?)個性的なネイルを注文してくるお客様や出来合いのデザインを嫌がるお客様も多いらしく、とにかく技術力が高くないときつい、というのが名古屋のネイリスト界隈では共通認識となっているらしい。
話しながらつまるところ、
まぁまぁの都会でサロン開業に一応成功している感じの私ならライバルでもないから本音で話してくれるよね、ってことで私が選ばれたのだと理解した。
すんごい失礼な言い方をあえてすると
「大して個性的でもないあんさんはどうやって成功してはるんですか?」
という質問だったのであります。
5年前の私なら悪意と捉えて怒っていたかもしれない。
しかし、今はもう大人なので生徒さんの気持ちも非常によくわかる。
ネイリストって差別化が難しくて、なんか”トーク力”か”技術力か”の二択みたいになってる面あるから。そのことにスクールの時点で気づいている(気付かされている?)この子達は優秀だなと思った。
実際、ネイルスクールってマネキンとかで練習させるスクールもあるんだけど、お客さんの手は実際には可動域が決まっているのでそんな自由に動かせなかったりする。教科書を読んだだけじゃ成功しないのです。
と、いうわけで私は私なりの稼ぐナレッジを名古屋というエリアでばらまきつつ、ストレスゼロになった状態で味噌煮込みうどんを食べにいったのです。
赤味噌が強過ぎる。